安易な海外放浪の勧めの危険性

2012/6/18作成

一つ前のエントリーで触れました「就活に失敗して死にたくなるくらい悩んだら、エジプトのダハブに行ってみるのもいいと思う。」について、全然別の観点で気になった点が一つありました。それは、果たして現在のエジプトに行くことを安易に勧めていいのかどうかという点。

たいしてニュースを見ない私でも、エジプトが現在政情不安定にあることは知っています。というか、ジャスミン革命などの影響もあり、中東・アラブ地域全体が不安定な状態です。まあ、中東地域なんて第2次世界大戦後安定していた時期があったのかって話もありますが。でも、エジプトは安定していた時期もあったんですよね。

でまあ、そういう情報はやはり専門家に聞いた方が早いということで、手っ取り早いのは「外務省 海外安全ホームページ」。これによると、エジプト全土については「渡航の是非を検討してください。」、ダハブのあるシナイ半島については「渡航の延期をお勧めします。」。ただし、ダハブを含む沿岸地域については「十分注意してください。」になっています。ダハブは比較的安全ということになりますが、だからと言って日本から直接ダハブに行けるわけではありません。まずはカイロなりに降り立ってエジプト国内を移動するか、隣国から入るかしないといけませんので、それらの地域の危険度は高いことになります。そういう地域に安易に「行けばいい」と勧めていいのかしらん。

ブログ主がそうかはわかりませんが、一般にバックパッカーの方々は外務省などのリスク情報を軽視する傾向にあるように思います。曰く「現地の情報を肌で知っている自分たちの方が正確」という思い込みです。確かに外務省のリスク情報は霞ヶ関の役人が出しているわけですが、そのバックボーンにある情報網は一般人では到底アクセスできないようなものも含むわけですよ?リスク情報を無視して戦闘状態にあるイラクに入国してゲリラに捕まって殺されたバックパッカーも居ましたよね。その二の舞になるとは限りませんが、リスクに対してもう少し敏感になってもいいんじゃないでしょうか。

いやまあ、ブログ主の趣旨がそこにないのは私だって分かってますよ。でも綺麗な海でダイビングを勧めるなら別に沖縄でもいいですやん。国内ではというなら、グレートバリアリーフでもいいですやん。なにも、今政情不安定な状態にあるエジプトを勧めなくてもと思うのですが。