大学って実は既に無償化されてるのかも

2016/2/16作成

義務教育の小中学校は公立なら学費は無償ですし、高校も無償化されました。残るは大学で、これも無償化されるべきという話はあるんだけど、現実には日本の大学の学費は上がる一方で無償化される見通しは全く見えません。が、もしかしたら実はすでに無償化されてるんじゃないかなと思ったのでちょっと書き残し。

大学が無償化されているというからくりは、成績優秀者に対する学費免除制度のことです。はい。だいぶタイトルには偽りはありますね。すいません。でもまあ、もうちょっと話を聞いてもらえたらうれしいです。

少子化で大学は全入時代に突入しまして、大学間の学生争奪戦は大変なことになっているそうです。学生が少ないと大学は収入が減りますから存続自体が危うくなります。短期的にはどんな学生でもとにかく入学してくれればいいのですが、だからってバカな学生ばっかり入れていると大学のレベルが下がって魅力が下がり、将来的に学生集めがより大変になってしまいます。つまり、大学としては優秀な学生を集めたいわけですね。そこで登場するのが成績優秀者に対する学費免除制度なわけですよ。

学費免除に釣られて優秀な学生がたくさん集まれば大学としてはうれしいわけですね。優秀な学生が集まれば単純に教育レベルがあげられますから、より優秀に育てることが出来ます。優秀な学生が卒業して社会で活躍すれば大学の評判も上がり、次の世代の学生が集まってくるというわけです。

ということで優秀な学生を集めたい大学側として学費免除制度を設けるわけですが、これは学生にとってももちろんうれしい話。受けれる教育が同等なら、費用は安い方がありがたいですからね。つまり、大学としても学生としてもwin-winのいい関係なわけですよ。

そしてこれはどういうことかというと、ぶっちゃけて言うならば「学ぶ気のあるまともな学生」にとっては大学の学費は無償化されているということですね。その原資は国からの補助金であるべきなんですが、この場合はほかの「学ぶ気の無い学生」から集められるわけですが。

ええ、もちろん学ぶ気があることと成績優秀であることは等価ではないですよ。学ぶ気はあるけど成績いまいちとか、不真面目で遊んでばっかりだけど成績はなぜかいいとか、そういう学生もいることでしょう。でも学ぶ気持ちってのを客観的に測定することはできませんし、学問の府である大学においては成績優秀というのは尺度にあっているわけですから、それでいいのではないかと思います。

つまり、学ぶ気のある優秀な学生はタダで大学に行けます。遊びたいだけの学生は、金を払って大学に来てくださいってことですね。

もちろん、これで全てうまくいっているというわけでもありません。そもそも全ての大学が学費免除制度を設けているわけではありませんし、学費免除制度の対象者も現状では数が少なすぎます。入学の時点では優秀だったけど大学に入ったら遊びまくってダメになってしまった場合や、逆に入試ではギリギリだったのに大学に入って目覚めた人をどう扱うのかって問題もあります。学費は免除されても4年間の生活費はどうするんだって問題もあります。

問題は多々多々あるのはそれはそうなんですが、とりあえず成績優秀者に対する学費免除制度は、それはそれで活用するといいのではないかなと思うわけです。出来ればこの制度がもっと拡充されるといいなぁと思います。