一人合宿は楽しいよ

2016/1/9作成

ちょっと思い立って、先日一人合宿をやってみました。これが意外と楽しくてためになったので、ちょっと書き留めておきます。

IT業界では合宿と言えば開発合宿が有名ですが、今回私がした一人合宿は開発はしません。やったのは考え事です。ふだんの生活とは切り離された場所で集中して行うという合宿の意味としては違いはありません。って、そもそも一人だったら合宿とは言わんのではないかとも思うんですが、まあいいか。

合宿はやっぱり温泉だろうということで、とある温泉で行いました。温泉にのんびりつかって、メシもゆったり食って。部屋でビール片手にテレビ観ながらくつろいでと。まあ、心身ともにリラックスするわけですよね。

そして考え事。普段でももちろんいろんなことを考えるんですが、そういう場合はどうしたって短期スパンの考え事が中心になります。目の前に問題がありますので、まずそれを退治することが優先されるわけです。でも、自分が考えるべきことは長期スパンのことも多々あるはずです。大げさに言えば「人生をいかに生きるか」みたいなテーマって、ここ何年も向かい合ったことがないわけですよ。そこまで大げさでなくても、今後5年10年といったスパンで仕事とか家庭とか趣味とかでどんなことに取り組んでいきたいかといったことを考える機会は有意義だと思うんです。ここで深く考えることで、もしかしたら全く新しいアイデアが出て、それが人生の転機になるかもしれませんよね。つまり気分としては「城之崎にて」の志賀直哉なわけですよ。石をぶつけてやろうとイモリを探すわけですよ。探しませんけど。だいたい志賀直哉だって別に人生を考えようと思って城崎温泉に行ったわけではないんですけどね。結果的にそこで人生にかかわる示唆を得たので、私もそれにあやかりたいなと俗なことを考えたわけです。

まあ志賀直哉ほどの成果は期待できないにしても、普段の生活とはかけ離れた場所でじっくりと考え事を出来るというのは、なかなかに楽しい時間でしたので、これからも機会があれば時々一人合宿をやってみたいと思います。

(2017/3/16追記)

アクセス解析をみてると、この記事に対して「一人合宿」というキーワードで検索されることがあるようです。そうなのか。一人合宿という単語は私が思いつきで作った造語だったつもりだったんですが、世間一般でも使われているものだったのですね。まあ完全なオリジナルとは思ってなくてすでに誰かが使ってるかもしれないとは思ってましたが、そこまで一般に広く使われているとは思っていませんでした。

試しに「一人合宿」でぐぐってみると、一人合宿をされている方の記事が多数出てきました。というのはちょっと誇張かな。多数とまではいかないけど、まあそこそこいらっしゃったというところでしょうか。ということで、他のみなさんの一人合宿記事もいくつか見させていただきまして、おおよそこんな感じでやってらっしゃるのかなというのを簡単にまとめてみました。

「内容」一人合宿で何をやるかですが、開発・読書・考え事の整理というのが主でしょうか。日常の中ではなかなかとれないまとまった時間で集中して一つのことを行うという意味では、とても合宿らしいことだなと思います。

「場所」私は温泉旅館にいって一人合宿をしましたが、同じように非日常的な環境に泊まりに行くという方がいらっしゃる一方で、利便性を考えて都心のビジネスホテルなどを利用されている方もいらっしゃいました。そのなかで、これはすごいなと思ったのは自宅で一人合宿をされているという方。普段は家族が居て賑やかなんだけど、何かの機会で家族が出かけていて家に一人で居るときに合宿をするそうです。一人で過ごすので一人合宿というのはわかるのですが、自宅でというのはすごいなと思いました。だって、まさに日常のまっただ中の環境ではないですか。身の回りにはいろんな日常の品物がありますし、家事や趣味の誘惑もたくさんあります。そんななかで集中して一つのことを行えるってのはすごいなぁと思います。そう簡単に家を空けることができないので致し方なくという場合もあるのかもしれませんが。それにしても、その精神力があれば普段の仕事についても相当の技量をお持ちなのではないかなと思ってしまいます。私などには真似できそうにありません。

「期間」一人合宿も合宿には違いないので、宿という文字が入るとおり宿泊を伴います。一泊二日もしくは二泊三日という方が多いなかで、数時間という方もいらっしゃいました。これもすごいなと思いますが、精神力がしっかりしていればそんな短期間でも一人合宿が行えるのですね。

結論としては当たり前の話ですが、人それぞれに合った方法で一人合宿をどうぞということになるのですが、今回いろいろ調べてみて思ったのは一人合宿というのは意外と柔軟性が高いのだなということ。複数人が集まる合宿だと人数を集めてそのスケジュールを調整して場所の手配もと、たくさんの手間がかかりますが、一人合宿の場合は一人っきりなので手間が大幅に軽減されます。私は合宿なので泊まりに行かなきゃと思いましたし、上述の通り志賀直哉の「城之崎にて」のイメージに引っ張られてましたので温泉旅館というのはほぼ当たり前と思ってました。が、そんなことは全然ないのですね。場所の自宅でもかまわないし、時間も数時間でもかまわない。となると、極端な話として仕事帰りにカフェによって一時間だけ行う一人合宿というのもありなのかもしれない。達人になると、普段の生活をしながら数秒だけふっと合宿モードに入ってしまえるのかもしれない。そこまでいってしまうと、単なる考え事と何が違うんだって話になりますが、ともかく合宿だからとそんなに構えることもないし固定観念にとらわれることもないのかもしれません。大事なのは、日常生活の中ではできないことを時間をまとめて集中して取り組むことが出来れば、それが一人合宿なのでしょう。もちろん、せっかくの機会なので温泉旅館などにいくのもいいと思います。環境を変えることで、目先も変わりますし気分も変わります。そうすることで普段とは違う集中モードに入れるという効果は十分にあるでしょう。