深夜のUstreamで起きた未来と奇跡を再考する

2010/3/16作成

坂本龍一さんがUstreamに降臨した件

偶然流れてきたRTからたどって観たUstream。深夜ということもあって、げらげら笑いながら観てました。楽しかったです。ステキな時間を作ってくださった作者の方には感謝いたします。

観ていた時には、奇跡だと感じたし、未来だなとも感じたんですが、夜が明けて落ち着いて考えてみると、果たしてそうかなと思ったので、起こった事象別に整理してみたいと思います。

・Ustreamで「坂本龍一についてユルく語ってみよう」という番組が開催された

これは"未来"だと思います。どのへんが未来かというと、一個人が自前のPCやウェブカメラなどの安価な機材だけを使って、簡単に番組を作って流せるようになったという点です。

・その番組に坂本龍一本人が降臨した

これは"奇跡"だと思います。なぜ坂本龍一本人が登場したのか経緯は分かりませんが、偶然に起こったことだとすると、それは奇跡と呼んでもいいと思います。少なくとも番組をしていた当人達にとっては奇跡以外のなにものでもないでしょう。

・番組中で坂本龍一とのコミュニケーションが行われた

これを未来と感じる人は多いと思うけれど、実は私はそうは思わない。番組と視聴者とのコミュニケーションは、古くはハガキによる方法などありました。リアルタイムにコミュニケーションするには電話などもありました。今では生放送の番組に対してメールなどで視聴者からメッセージが届いてそれを読み上げるというのも一般的に行われています。さすがに生で演奏中に指導を入れるというようなことはなかなか行われていなかったでしょうが、既存のテレビ番組で不可能というわけではありません。

・深夜なのに2500人超の視聴者が集まった

これは"未来"かなと思います。例えば深夜番組を観ていて、すげー面白いから友達に「観てみろよ」と電話とかメールするようなことは従来でもあり得ました。しかし、その影響範囲はそれほど広くないんですよね。この方法だと。しかし、今回はtwitterがその媒介になった。メールや電話だと起きてるかどうかって問題もあるし、そもそもかなり親しい間柄でないと連絡できないけど、twitterだったら起きてない人は見てないだけだから問題ない。関係性も、メールや電話に比べるとゆるやか。そのため、非常に多くの人にRTで広まって、結果としてUstreamに人がたくさん集まった。これはtwitter無しではあり得なかった事態なので、未来だと思います。

以上、私なりに考えるところを整理してみました。他の人の感想を観ていると「もうテレビなんて要らないよね」という意見もありましたが、上に書きましたとおり私はそうは思いません。今回の事件のうち、いくつかはテレビでも実現可能なことだと思うからです。