「水族館のはなし」堀 由紀子

2007/1/30作成

江ノ島水族館の館長堀由紀子さんの著書。実はこの本が出版された直後の1999年頃、仕事で江ノ島水族館に係わる機会がありました。当時この本の存在も知っていたのですが、なんとなく手にとるのが億劫で読んでませんでした。今こうして8年も経ってから100円で買ってきて読んだわけですが、節約できたのは数百円。当時読まなかったことによる損失はプライスレス。結局その時の仕事自体は流れてしまったんですが、それでも自分が一番強く興味を持つように動機付けされていた時に読めば読み取れるものは大きかっただろうにと思うと勿体無かった。今読んでも、ただ単に何となく読み流してしまっただけだから。

江ノ島水族館自体は当時訪れて観てはいるのですが、本書を読んでいればバックグラウンドがよりよくわかったでしょう。カリブ水槽は完全循環型の水槽で、確かに展示の説明でもそんなことは書いてありましたが、その実現に様々な苦労や工夫があったことを知っていれば、もっと興味深く観ることもできただろうに。もったいないことをした。

という自分語りはおいといて、本書について。前半は世界的な水族館の歴史と変遷。これは後半にも言えること何だけど、図やイラストが極端に少なくて文章だけで説明されているので非常に分かりづらい。というか、水族館の配置や構造を言葉だけで説明されても正直言ってよくわかりません。

後半は水族館で飼育されている水棲動物の話が中心。こっちはまだイラストがなくても分かりやすいかな。

全般的に学者さんが書いただけあって、ちょっと不親切な文章ではあると思う。ある程度水族館について知識のある人が読むにはいいだろうけれど、全くの素人ではとっつきにくいかなぁ。