「上司は思いつきでものを言う」橋本 治

2007/6/14作成

それなりに話題になっていた本ということで期待してたんですが、残念ながら面白くなかった。

まず何より文章がダラダラと回りくどい。筆者自身が本文中で何度も回りくどいと書くくらいくどい。筆者もそう思うんだったら、もっとすぱっと整理して欲しい。売れっ子作家なんだから、それくらいの文章力はあるだろうに。

本書の内容を乱暴にまとめると「平社員は現場に密着しているので正しいことが分かる。上司は現場から乖離しているので何が正しいかわからない」となる。つまり平社員の方が上司より正しいと言っているわけだから、平社員が読めば拍手喝采で痛快な本かもしれんね。だから売れたのかな。でもね、それって正しいのか?

物事にはいくつもの見方がある。現場に密着していると現場のことはよく分かるがそれ以外の部分は見えにくい。現場から離れていると、現場のことは詳しく分からないかもしれないが、他の部分は見える。端的に言えばミクロ視点とマクロ視点。その両方の視点の観察結果を総合して物事は判断するべきでしょう。ミクロだけを正しいとするのでは、マクロからみると間違っている可能性も高い。

筆者はサラリーマン経験が無いそうである。ではなぜ筆者がこのような会社組織の分析を出来たかと言うと、作家として付き合っている複数の出版社の編集者からの話を総合して考えたらしい。それって平社員の言い分だけを聞いて、上司の側の言い分はゼロってこと?それで正しい分析と言えるのかしらん。


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