「青木雄二のナニワ資本論」青木 雄二

2007/2/21作成

ナニワ金融道の青木雄二氏の本。ナニワ金融道は面白くて好きだったんで期待したんだけど、残念ながらいまいちだった。

いまいちだった理由の一つは、新聞の連載記事をまとめた本だったということ。一つ一つのトピックが2ページ程度と短いため、読みやすいけど深みがない。新聞連載という性格か、軽いネタがあちこちに飛んでいくし。

また、この本を読んで知ったのは、青木氏と私は考え方に大きな違いがあること。この違いからくる主張の違和感も、読んでて面白く感じなかった理由かな。

違いの一つは、青木氏は市場の動きを読むことが可能であるとしていること。私は基本的にランダムウォーク信者なんで、読むことは不可能だと思ってる。

もう一つは、青木氏は人間は個人としては不完全でも人類としては完全であるとしていること。本書のなかでは、たとえば汚職は撲滅可能と考えている。私は個人も人類も不完全で、例えば汚職も減らすことは出来ても無くすことは出来ないと思っている。

どっちもどちらが正解かはもちろんわからない。正解はないかもしれないし。ただ一つ気になるのは、青木氏が思想の根本に据えている唯物論について私は概要すら理解してない。唯物論について少しは勉強してから、このあたりのことをもう一度考え直したい。